腰痛

Last Updated on 2024年3月7日 by Matsumoto Chiropractic Treatment

腰痛体操は効果があるか?

 お客様から腰痛体操や腹筋・背筋をやった方がいいか?尋ねられる事があります。
予防として行うにはいいと思いますが、慢性的に腰痛が強く出ているのを腰痛体操で治せるかと言えば、治らないと思います。
効果が出ても少し楽になる程度でしょう。
 注意しなければならないのは急性期です。(例えばギックリ腰になった場合とか)
そういう時は無理をせず、日常生活を送る動作程度に留めておきましょう。
仮に腰などに炎症が起こっている場合、体操をした結果更に炎症が悪化し腰痛が酷くなるかもしれません。
実際当院に通われているお客様ですが(男性 空手有段者)、腹筋や背筋を鍛えた方が良いと以前通っていた整体で言われて、腰が痛いのを我慢して一生懸命腹筋・背筋を鍛えたそうです。
結果腰痛は更に悪化、足に痺れまで出てきたため、整体に行くのを止めて、整形外科を受診したそうです。
診断は軽い椎間板ヘルニアといわれ、痛み止めの薬と湿布のみの処方だったそうです。
その後痛みとしびれが酷く当院に来られました。
初回で足のしびれはなくなり、数回の施術で腰痛も楽になりました。
腰痛もほとんど起こらないので、その方に合った運動方法を段階的に指導、今ではメンテのために通われています。
先日来院された際、彼の行っている美容室の男性美容師も腰痛で、腰の痛みを我慢して腹筋・背筋をした結果、やはり腰痛は更に悪化したということでした。
 腹筋や背筋を鍛える事が悪いのではないのですが、腰痛の原因は人によって異なります。その人に合った運動を指導出来る所に通うことが大切だと思います。
腰痛体操も万人向けに作られたものであり、先に書いた様に腰痛の原因は人によって異なります。その原因に合っていれば楽にはなるかもしれませんが、 極軽い腰痛の内は別として、 慢性的に酷くなった場合、完全によくなるとは言い切れないところです。
あくまでも予防を目的として行う分には良いでしょう。

何度も繰り返す、中々良くならない腰痛

 腰痛とは体に表れる「症状」で病名ではありません。
腰痛を訴える人は、全国に推計3,000万人程いるそうです。
発症から4週間未満の急性腰痛、痛みが3ヶ月以上継続すると慢性腰痛となるようです。
また腰痛の原因が特定できるもの(特異性腰痛)と、腰痛の原因が特定できない(非特異性腰痛)に分けられます。
 腰痛を引き起こす原因は様々で、背骨やそれを取り巻く関節、 靱帯、筋肉、筋膜等々の問題から、神経、内臓、血管、心因性(精神的なもの)等 多岐に渡ります。
激しい痛みが長く続く場合や、楽な姿勢がない(どんな姿勢をしても痛む-内臓が原因の場合に多い)腰痛は、重い病気が原因で起こることも考えられるので、整形外科や内科等で一度検査をしてもらいましょう。
 整形外科等の病院に行って、エックス線検査やMRI検査をしても「骨に異常はない」と言われ、湿布や痛み止めの薬を処方されることがあります。
 整形外科や内科等で異常なしと言われても慢性、急性を問わず、また腰痛に限らず、どこかが痛いというのはとても辛いものです。
痛み止め等の薬は一時的に使うのなら良いとは思いますが、痛み止めの薬は腰痛の原因を取り除いている訳ではありません。
骨に異常がなく、内臓にも異常がない、でも腰痛が中々治らない、繰り返すという方は、体がゆがんでいるからかもしれません。
ちなみに体がゆがんで起こる腰痛は、動作をした時に痛むことがほとんどです。

体のゆがみを取り除く

※注:このホームページは一般の方向けに書いているので、なるべく難しい用語を使わずに書いています。

曲がった体

 写真の様に体が右に曲がっているとします。
これが単に体を右側に曲げてしまう、右側のある筋肉が縮んでいるだけならば、体を反対方向に曲げてストレッチすれば、筋肉が伸びて体は真っ直ぐになります。
それで真っ直ぐになるならばそれでいいわけですが、実際にはそう簡単にはいきません。

 写真は当院に来院されている方の側わん症のレントゲン画像です。
背骨が大きく曲がっているのが分かると思います。

余談になりますが側わん症(特発性側わん症)は原因不明で、病院では最初は経過観察、少し症状が進むとコルセットの様な装具を着けたり、更に症状が進行すると手術になることもあるようです。

話しがそれてしまいましたが、側わん症のレントゲンの方の様な場合、体を左右に倒したり、捻ってストレッチをしていれば、体(背骨)は真っ直ぐになるかと言えば、真っ直ぐにはなりません。
その様なことで真っ直ぐになるなら、病院でリハビリを受ければ簡単に治っているはずです。
側わん症で当院に来られたお客様の中には、うちに来る前に通った整体等ではストレッチをされたり、背骨を捻ってボキボキされた方が何人もおられますが、痛いだけで全く変わらなかったという事です。
 体がゆがむというのは、体のどこかの筋肉が縮んで曲がる様な感じですが、そういった事ではありません。
レントゲンの側わん症の方もそうですが、「体のある部分」が変位し(ゆがむ-すみません、ここだけ変位という言葉を使います)動きがなくなったり、動きが悪くなることによって起こります。
その「ある部分」を正さない限り、ストレッチ・ヨガ・筋膜リリースや背骨・骨盤・股関節・膝関節・足関節(足首から先全部の骨含む)の矯正をしても真っ直ぐな体にはなりません。
なった様に見えたとしても完全に真っ直ぐにはなりません。
ストレッチやヨガで体のゆがみが直るのなら、ヨガの先生に体がゆがんだ人はいないでしょう。
当院には多くのヨガの先生が通われていますが、皆さん体がゆがんでいます。
側わん症ではない普通の体のゆがみも、一般的な骨格矯正をやった時は真っ直ぐになった様に見えますが、立ち上がって動き始めると直ぐにまたゆがんでしまいます。
 当院が考える「根本を正す」「体のゆがみの原因を取り除く」というのは、体のどこかに痛みや不調が現れている原因として、見た目上ですが側わん症のレントゲンの様な①「背骨の大きな曲がり(特発性側わん症)」②「頭が前後左右に曲がったり、傾いている」③「骨盤がゆがんでいる」④「膝関節が前後左右にねじれる等して動きが悪い」などの状態を元に戻す事と捉えています。(当たり前か)
実際①~④やその他の動きを取り戻し、正常に動く様にすれば、腰痛を初め様々な痛みや不調がなくなってゆくことが非常に多いです。

「本当のゆがみの原因を取り除く」事が重要

当院にご来院されるお客様は、色々な整体等に長年通われた方が 非常に多いです。
「骨盤が体の土台だから骨盤を正す」と言う所もありますし、「股関節が根本だ」と言うところもあり、その他色々な所が根本原因だと言われています。
 上に挙げた側わん症の方を調べてみると、骨盤も股関節も膝関節も足首にも、その先の足の細かい骨にも動きの悪い(動きがロックしている様な)箇所が多数あります。
それとは逆に動きが増している箇所もあります。
では側わん症の改善には何処を矯正すれば良いのでしょうか?
背骨?骨盤?股関節?筋膜?
それらを調整しても、見た目に大きく曲がった側わん症は改善しません。
 本当の原因は他の箇所にあり、その箇所の動きがなくなっているのを補うために、体(背骨、骨盤、股関節、膝関節その他)が捻れたり傾いてバランスを取ります。
その結果として見た目上、背骨が大きくわん曲して、側わん症(特発性)となっているのです。
ですからもっと軽い頭の傾きや骨盤のゆがみ等も、その部分が原因して起こっています。
腰痛に関して言えばその原因のため、腰骨の動きが悪くなったり、或いは動きが増したり(以下同じ)、骨盤もゆがみ、そこに付いている股関節も正常な位置でなくなるので、腰の筋肉やお尻の筋肉等が硬くなり、骨格のゆがみと筋肉等の異常により、腰に痛みが出てくる事が多いのです。
ですからその部分(本当の原因)の動きを元に戻せば、体は本来の動きを取り戻し、腰痛をはじめ様々な痛みや不調は消えていきます。
※一般的にいわれている「根本原因」と、当院のいう「本当の原因」は別の意味で使っています。

腰痛になったら注意すること

 腰を強くぶつけたとかの怪我ではなく、何かちょっとした動作をした時、急に腰が痛くなった場合は、普通ギックリ腰(急性腰痛)の場合がほとんどです。(他の場合もあります)
通常放っておいても7~10日位で痛みは治まります。
以前アメリカの調査で、ギックリ腰になった時①安静にして寝ている②コルセットを着ける(だったと思います)③動ける範囲で普通の生活を送る、という群で③の動ける範囲で普通の生活を送るが、痛みが消えるのが一番早かったと言うことです。
日常生活を送る上で、痛みが出たから直ぐ医者に行くということが出来ない場合も多いでしょう。
かといって痛みがあるのに普通に動くのも大変です。
そういった時は市販の痛み止めを飲んで楽になるのであれば、一時的ならそうする方が精神的にも良いと思います。
ただし薬を飲んでも一向に痛みが治まらず、1週間位しても薬を飲まないと、最初の痛みと同じだったり、返って酷くなっている場合には、念のため整形外科を受診して下さい。
検査で重篤な病変がない、異常がなければ安心出来ます。
 次に何となくいつからともなく腰が痛くなって、徐々に痛みが増してきた場合です。長期化したら慢性腰痛になります。
ギックリ腰を何度も繰り返している場合、慢性的な痛みに繋がることが多いようです。
ちなみにギックリ腰は痛みがなくなったとしても、骨盤や腰骨のゆがみ、腰部周辺の筋肉が硬くなる、筋膜に異常が起こっている等は、多くの場合正常な状態に戻っていないので繰り返す方が多いです。
ですから整形外科等を受診して異常がなければ、ギックリ腰や腰痛を繰り返さない為にも、体のゆがみや筋筋膜異常等々をチェック出来る施術所でトータルにメンテナンスしてもらうと良いでしょう。
その際普段の生活・姿勢指導は勿論ですが、あなたに合った運動の仕方等を指導してくれる所がベストです。